決算公告の実施と透明会計の導入方法を具体的に教えてください。
透明会計を導入して、それを根付かせるには、「理論教習・指導実践」と「理論自習・自己実践」
の2つの方式があります。「理論教習・指導実践」方式では、『NPO法人電子決算公告推進協議
会』の会員(税理士、公認会計士)事務所が、透明会計の導入から実践、そして経営に効果的な決算
公告の仕方まで指導をさせていただきます。詳細は、別冊「透明会計と決算公告」で紹介いたします
ので、そちらをご参照ください。
一方、「理論自習・自己実践」では、まず社長自身が自分の会社の損益計算書、貸借対照表、
それにできればキャッシュフロー計算書、もしくは資金繰り表を徹底的に理解する必要があります。
部門別の損益計算書のような、会社の実態を浮き彫りにする資料のアイデアを、社長自分でも
考えます。「会計を使うと会社のことがこんなに分かるのだ」ということを、社長自身が体験しない
と誰も説得できません。
次に役職の上位者の教育と情報公開に進みます。取締役、部長、チームリーダーなど会社に
よって役職は様々でしょう。少しずつでいいですから、着実に重要性を理解させていきます。
肝心なのは、上層部の社員に透明会計への導入反対者を作らないことです。反対する人がいたら
押さえ込むのではなく説得して分からせることです。これをやっておかないと、一般の社員まで
下ろしたときに、足並みが揃いません。「○○部長は必要ないと言った」という言い訳を与える
ことになってしまいます。
それができたら、議論の場を持つことです。それも最低1カ月に1度、できれば1週間に1度
です。そのためには、議論の土台となる月次試算表くらいは必要です。
世の中の社長は、資金繰りにかけては長けた人がほとんどです。税理士や会計士に損益計算書や
貸借対照表については任せきりでも、資金繰り表だけはパーフェクトに理解して、使いこなして
いる人が多いものです。資金繰りに失敗すれば会社は倒産してしまうのですから、資金繰りは
社長が最も神経を使うところです。まさに、会社を背負う責任感のなせる業といえるでしょう。
しかし、社員との間に、一番意識の開きがあるのも資金繰りです。資金繰りは、決算公告の
対象ではないので、社外に公表する必要はまったくありませんが、社員とは共有すべき情報です。
資金繰りだけは社員には見せたくないという社長もいますが、資金繰りの情報開示こそが社員の
モチベーションを上げて会社を元気にし、たくましくするキーポイントです。
決算公告と透明会計を行えば、会社は見違えるほど元気でたくましくなります。会社の手元
資金が毎月のように増えていく姿(会計情報)が社員にも見えてきます。ほとんどの社員に
とっては、それが大変な喜びになるはずです。
